「世界の日米同盟」へ歴史的一歩 両首脳がアピール

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28日、ホワイトハウスで共同記者会見するオバマ米大統領(右)と安倍首相(早川俊行撮影)

 【ワシントン早川俊行】安倍晋三首相とオバマ米大統領は28日、ホワイトハウスで行われた首脳会談後の共同記者会見で、日米防衛協力の指針(ガイドライン)の再改定を踏まえ、アジア太平洋地域だけでなく世界の平和と安定に寄与する「世界の日米同盟」に向けて歴史的一歩を踏み出したと強調した。

 首相は「日米同盟の歴史に新たな1ページを開いた。『世界の中の日米同盟』とも呼ぶべきものだ。日米同盟はもはやアジア太平洋地域のみならず、世界の平和と安定になくてはならない」と、首脳会談の成果を誇示した。

 大統領もガイドライン改定について、「日米の部隊は海洋安全保障から災害対応までさまざまな課題に対し、柔軟性が高まり、協力体制を整えられる」と高く評価。国際貢献に積極的な首相のリーダーシップに謝辞を述べた。

 日本国内で新たな安全保障法制への懸念が根強いことについて、首相は「戦争に巻き込まれるといったレッテル貼り的な議論が行われているのは大変残念だ。1960年の安保条約改定の時も同様の批判があったが、それは全くの間違いだったと歴史が証明している」と主張。日米同盟を強化して抑止力を高めることが、平和維持につながると説明した。

 大統領は、中国が南シナ海で埋め立てを進めていることに「懸念」を示した上で、「日米は航行の自由、国際法の順守、紛争の平和的解決へのコミットメントで結束している」と強調。沖縄県・尖閣諸島は日米安保条約第5条の適用対象であることを改めて明言した。これに対し、首相も「いかなる一方的な現状変更の試みにも断固反対する」と語った。