惜しまれ疎まれ、2013年の海外物故者


サッチャー元首相やマンデラ元大統領ら

惜しまれ疎まれ、2013年の海外物故者

奇しくも同じ年に亡くなったサッチャー元英首相(左)とマンデラ元南アフリカ大統領=1990年7月、ロンドン(AFP=時事)

 2013年、海外では多くの著名人がこの世を去った。惜しまれつつ没した偉人もいれば、疎まれて命を絶たれた無残な死もあった。

 4月に死去したサッチャー元英首相(87)。英国初の女性宰相は、野党からの連日のヤジにもめげず、妥協を拒む強い信念で「鉄の女」と呼ばれた。アルゼンチンとのフォークランド紛争を勝利に導き、経済不振を克服した政治手腕が称賛を集めた一方で、格差拡大を招いたと批判も。葬列に背を向けて抗議する人もいたため、その功罪が改めて注目された。

 指導者としての資質では、12月に亡くなったマンデラ元南アフリカ大統領(95)の右に出る者はいないだろう。「20世紀最後の偉大な解放者」(オバマ米大統領)という賛辞は無論のこと、細かい業績は知らずとも、その厳しくも柔和な顔だけは誰でも知っている傑出した人物だった。アパルトヘイト(人種隔離)撤廃、黒人と白人で分断していた国民の和解など、その功績は枚挙にいとまがない。(時事)