楽天・田中将大投手、メジャーへ一歩前進
誇りを胸に挑戦、楽天が新ポスティングを容認
クリスマスにようやく田中のメジャー挑戦への道が開けた。「ひとまず、一歩前に進めたなと」。ほっとした表情だった。
当初は11月上旬とみられていた新ポスティングシステムの成立が、1カ月以上も遅れた。その上、球団も新制度の利用を容認するかどうかの結論を出すのに時間を要した。待たされる日々が続いたが、「特に深くは考えなかった。システムについて何か言える立場ではないので」。待ったかいがあり、吉報が届いた。
送り出す決断をしてくれた球団には、感謝の思いしかない。「入団して7年間、皆さんに支えられた事実が基盤になっている。ここでやったことを胸に刻んで、これからも野球をやっていく」。大リーグへの移籍がかなえば、球団に施設整備のための資金を寄付することなどでの恩返しを考えている。
メジャーへの憧れを抱いたのは最近だという。「プロに入った時はなかった。徐々にです」。一昨年に19勝を挙げて自信をつけ、今季は無傷の24連勝でチームを初の日本一へと引っ張った。日本で頂点に立ち、満を持しての挑戦になる。
「入札してくださる球団が多ければ多いほど選択肢はあるが、どうなるか分からない」。控えめに言ったが、米国での評価は高く、多くの球団が獲得に名乗りを上げるのは確実。「プレースタイルは変えない。次のステージでも変わらぬ応援をしていただければと思う」。日本を代表する投手として、誇りを持って戦う意欲を示した。