白井がゆかで圧巻の演技、新技決まり圧勝
豊田国際体操、体操の種目別で争う
演技終了直後、思わずガッツポーズが出そうになる気持ちを抑えた。今秋の世界選手権でゆかを制した白井が圧巻の演技で優勝。「あの時より出来は良かった」と笑みがこぼれた。
二つのF難度技の新技を披露した。前半で「シライ2(前方伸身宙返り3回ひねり)」を決めると、最後は「シライ(後方伸身宙返り4回ひねり)」。ひねりが足りず、着地はわずかに乱れたが、技の出来栄えを示すEスコアは10点満点中の8・925点。技の難度を示すDスコアは、出場選手中ただ一人の7点台だった。
世界選手権後に持病の腰痛が悪化し、練習時間は激減。不安を抱えた中での試合だったが、「調整不足でどれだけできるか試すにはいい機会」と開き直った。この日は直前に内村の演技を見て、「世界選手権の雰囲気と同じになった」。緊張感とともに負けん気もよみがえった。
「これで油断したら駄目。練習をどんどん増やしていきたい」。今年、一気に注目を浴びた17歳は、圧勝にも足元を見つめ直した。