浅田真央と金妍児、ソチ五輪で頂上決戦へ
弾みつけた宿命のライバル
ソチ五輪のフィギュアスケート女子で対決が注目される2人が、時を同じくして本番に弾みをつけた。浅田真央(中京大)は7日まで福岡市で行われたグランプリ・ファイナルで連覇。ザグレブでのゴールデンスピンでは、右足負傷から復帰した金妍児(韓国)が今季初戦を優勝。宿命のライバル対決が最終章へと向かう。
浅田はファイナルのフリーで大技トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に2度挑戦。銀メダルだったバンクーバー五輪以来の成功を目指したが、不発に終わった。
3回転半は、現役女子で浅田だけが跳ぶ最高難度のジャンプ。リスクも伴うが、本番で最高の演技をしたい思いがある。
4シーズン前より準備は整っている。演技全体の完成度は高まり、3回転半を失敗しても、合計の約204点はバンクーバーと遜色がない。「アクセルの調子は今の方が格段にいいし、アクセル以外の部分は全てクリアになっている。後は、もっと確実に確率よく跳べるか分析していけたら、2発(跳べるの)も遠くない」と自信を見せた。
五輪連覇を狙う金妍児は下級大会ながらSPは浅田の今季世界最高点を上回り、合計点も200点超え。SP、フリーともジャンプにミスがあったが、けが明け初戦としては十分な内容だった。
金妍児はバンクーバー以降、2年近い休養も挟んだ歩み。「浅田と私は10年以上、ライバルとして戦ってきた。(今回)偶然、違う場所で滑ったが、浅田の存在は私にモチベーションを与えてくれる」。2カ月後の頂上決戦が、楽しみになってきた。