ユネスコ、和食を無形文化遺産に登録


ユネスコ、和食を無形文化遺産に登録

和食のユネスコ無形文化遺産登録を前に、京都府などが主催した「日本料理文化博覧会」で出された料理の一部=10月、東京都文京区のホテル

 アゼルバイジャンで開かれている国連教育科学文化機関(ユネスコ)の政府間委員会は4日、日本が無形文化遺産に提案していた「和食 日本人の伝統的な食文化」の登録を決定した。

 国内の無形文化遺産は昨年の那智の田楽(和歌山県)に続いて22件目で、食関連は初めて。

 提案書では、和食を「自然を尊重する日本人の精神を体現した社会的慣習」と位置付けた上で、新鮮で多様な食材や自然の美しさを表した盛り付け、優れた栄養バランスと年中行事との密接な関わりなどを特徴として挙げていた。

 東日本大震災後の2011年6月、NPO法人の働きかけを受けた京都府が政府に要望。東京電力福島第1原発事故で揺らいだ日本食への信頼回復にもつながるとして、有識者による検討会を経て昨年3月にユネスコに提案し、今年10月にはユネスコ補助機関が登録するよう勧告していた。

 当初は会席料理が念頭に置かれていたが、11年に韓国の「李氏朝鮮の宮中料理」の登録が見送られたことなどから、有識者検討会が日本の食文化全体としての提案に方針転換した。