GPシリーズ、ロシア勢目覚ましい女子の台頭
フィギュアスケート王国で、若い選手が続々と
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ上位6人で争うファイナル(12月、福岡)進出者のうち、女子はロシア勢が4人を占めた。ロシアではここ数年、ジュニア世代の台頭が目覚ましかったが、フィギュア王国の面目躍如となった。
最近3シーズンの世界ジュニア選手権女王、17歳のアデリナ・ソトニコワ、15歳ユリア・リプニツカヤ、14歳エレーナ・ラジオノワに加え、3人の陰に隠れていた15歳のアンナ・ポゴリラヤも躍進した。毎年のように有力な女子が出てくる背景について、ロシア連盟のゴルシコフ会長は「それは誰にも分からない」と肩をすくめ、「いわばマッシュルームのように成長してきた」と言う同連盟関係者もいる。
この4人は、いずれも1990年代後半の生まれ。ソ連崩壊後の苦境を経て、ロシア経済が回復し始めた時期と重なる。ある国際スケート連盟関係者は「多くの子供がスケートを始められるようになり、母国を離れていた有力コーチも戻ってきた」と言う。裕福な家庭が増え、指導者層も厚くなって、選手が育つ土壌ができた。
昨季の欧州選手権でソトニコワが2位、16歳のエリザベータ・トゥクタミシェワが3位に入るなど、シニア大会でも実績を残しつつある。ロシアに唯一、五輪金メダルがないのは女子。ゴルシコフ会長は「まだ若く、経験が必要。(金メダルには)ちょっと間に合わなかったか」と言うが、来年2月のソチ五輪に向け期待が高まっている。(ロンドン時事)