ラブジョイ彗星が見頃に


夜明け前の東の空、予想より明るく

ラブジョイ彗星が見頃に

夜明け前に尾を引き、明るく見えるラブジョイ彗星(すいせい)(岡山県浅口市の国立天文台岡山天体物理観測所で撮影、3日午前5時31分から1分間露出写真を10枚合成。同観測所の戸田博之研究支援員提供)

 今月上旬に明るくなると期待されたアイソン彗星(すいせい)は11月29日の太陽最接近時にばらばらになってしまったが、夜明け前のほぼ東の空では「ラブジョイ彗星」が明るく見え始めている。国立天文台の縣秀彦准教授は「予想より明るく、夜空が暗い所なら肉眼で分かる。都市部でも双眼鏡を使えば見える可能性が高い」と観測を呼び掛けている。

 「ラブジョイ彗星」は、オーストラリアのアマチュア天文家テリー・ラブジョイさんが発見した数々の彗星の通称。今見える彗星は9月7日に発見された。今月22日に地球と金星の軌道の間まで来てから遠ざかる見込み。戻って来ることはなく、見えるのは今回だけと考えられている。

 縣准教授によると、ラブジョイ彗星は今月、午前4時から5時半ごろに東から北東の空で、尾が左上に伸びて見える。今週はうしかい座付近に見え、明るさもうしかい座の星々と同じ4等程度。位置が次第に低くなるため今月前半が見やすく、年明けからほぼ見えなくなる。

 今月14日ごろには三大流星群の一つ、ふたご座流星群が出現ピークを迎える。今年は夜半すぎまで月明かりの影響で見えにくいが、10日ごろから出現数が増える見通しという。