ESA、小型探査機フィラエ「永遠の冬眠」に
彗星に初着陸、通信回復に向けた信号送信を断念
2014年11月、彗星(すいせい)への着陸に初めて成功した小型探査機フィラエについて、欧州宇宙機関(ESA)は13日までに、通信回復に向けた信号送信を断念したと発表した。彗星の上空では親機ロゼッタが観測を続けており、親機を経由した最後の通信は昨年7月9日(欧州時間)だった。今後は「永遠の冬眠」に入る可能性が高いという。
フィラエはロゼッタから分離され、「チュリュモフゲラシメンコ彗星」に着陸した際、機体を地面に固定する装置が作動せず、バウンドして崖の陰に入った。バッテリーで2日半観測したが、太陽電池による充電が不十分で休眠した。
彗星が太陽に接近したため目覚め、昨年6月13日に通信が復活したが、新たな観測データは送信できなかった。機体の損傷や転倒も考えられる。