久美子社長「ビジネスモデルの転換が重要」


大塚家具のお家騒動から1年、ブランドイメージの回復目指す

久美子社長「ビジネスモデルの転換が重要」

リニューアルした新宿の店舗を説明する大塚家具の大塚久美子社長=4日、東京都新宿区

 大塚家具の創業者である大塚勝久前会長と娘の久美子社長が株主を巻き込み争ったお家騒動から約1年がたつ。久美子社長はインタビューに応じ、「一番重要なのはビジネスモデルの転換だ」と強調。顧客の購買行動に合わせ販売手法を変えることで、ブランドイメージを回復させ業績拡大を目指す考えを示した。

 社長は家具の販売動向について「買い替え中心に変化しつつある」と語った。従来は引っ越しや結婚のタイミングでのまとめ買いが中心だったが、最近は気に入った家具を単品で購入する形に変化しているとする。このため、前会長が進めた会員限定で商品を販売するスタイルを「(入店に)プレッシャーがかかり、買い替え客に敬遠される」として取りやめ、客が自由に選べる仕組みに変えたとした。

 また、店の入り口付近にあった受付を廃止するとともに、会社のロゴマークも変更。全国16店舗で高級品の展示比率を下げるなどのリニューアルを実施した。

 一方、前会長と大塚家具の関係は、筆頭株主だった前会長が昨年後半から保有株を順次売却し、関与を薄めている。こうした状況を踏まえ、社長は3月下旬に開催予定の株主総会について「今年は話題を振りまくことはない」と述べ、お家騒動の再燃はないとの見方を示した。