「サンバのリズムでリオ五輪を盛り上げたい」
五輪がテーマ、「ウニオン・ダ・イリャ」がカーニバルに出場
ブラジルのリオデジャネイロのカーニバルに、8月に開幕するリオ五輪をテーマにしたサンバチームが出場する。同国では、空前の不景気や政界汚職、ジカ熱の流行で閉塞(へいそく)感が漂っている。「五輪歓迎ムードどころではない」と市民の関心が低い中、チーム幹部は「サンバのリズムで機運を盛り上げていきたい」と意気込んでいる。
精鋭チームによるカーニバル最大の見せ場が始まる7日に登場するサンバチーム「ウニオン・ダ・イリャ」は2016年の全12チームの中で唯一、リオ五輪をテーマに選んだ。チーム幹部のバスベル氏は「地元で南米初の五輪が開催されることはわれわれの誇りだ」と語る。
1年近くかけて準備を進めてきた行進の演出は「当日まで詳細は秘密」(チーム広報)だが、メダルで飾った巨大な山車やギリシャの女神をイメージした衣装のダンサーら数千人が会場を練り歩くという。
政府の財政悪化に苦しむブラジルでは物価上昇率が年10%を超え、失業率も7%前後で高止まりして、国民の不満が高まっている。ジカ熱との関連が指摘される小頭症の新生児急増も暗い影を落としている。
チームメンバーの教師ヘジナ・リナさん(55)は、五輪開催のため、交通機関が整備され、市民生活は改善されると希望を託す。「国の苦しい状況を嘆いても仕方がない。カーニバルを全身で楽しみたい」と笑顔を見せた。(リオデジャネイロ時事)