牛の仲間、鼻から頭の上にかけて細長い突起


ケニアの4万~十数万年前の地層で絶滅種の化石を発見

牛の仲間、鼻から頭の上にかけて細長い突起

 アフリカ東部ケニアの4万~十数万年前の地層で、絶滅した牛の仲間の化石が見つかった。鼻から頭の上にかけて細長い突起のある頭骨化石で、オーストラリア・クイーンズランド大などの国際研究チームが5日、米科学誌カレント・バイオロジー電子版に発表した。

頭骨の内部構造をコンピューター断層撮影装置(CT)などで調べた結果、突起の中は空洞で、非常に低い音で鳴くことができたと推定された。天敵の肉食獣が気づかないほど低い音で鳴き、遠くにいる群れの仲間とコミュニケーションを取った可能性もあるという。

この牛の仲間の学名は「ルシンゴリクス・アトポクラニオン」。ケニアのビクトリア湖沿岸で化石が見つかった。頭骨の細長い突起は、8万~6600万年前に北米に生息した恐竜「ランベオサウルス」と形が似ており、哺乳類では珍しい。