大西さん16年宇宙へ「地球の美しさ、楽しみ」
元パイロット、ISSに半年間滞在
宇宙航空研究開発機構は29日、宇宙飛行士の大西卓哉さん(37)が2016年6月ごろから約半年間、国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在することが決まったと発表した。12月から米国やロシアなどで訓練を始める。大西さんは初の宇宙飛行で、ISSへの行き帰りはロシアの宇宙船ソユーズを使う。
米ヒューストンで訓練中の大西さんは29日午前、東京の宇宙機構とテレビ電話を通じて記者会見。「ISSに行き、自分の目で地球の美しさを実感できる日を楽しみにしている。諸先輩の実績に恥じないよう精進していきたい」と語った。ソユーズ宇宙船では船長の操縦を補佐する役割を果たすといい、「前職のパイロットと同じ。(経験を)私なりに生かしたい」と意欲を口にした。
全日空のパイロットだった大西さんは09年2月、宇宙機構が10年ぶりに実施した宇宙飛行士候補選抜試験に合格。約2年間の基礎訓練を経て、11年7月に米航空宇宙局(NASA)から宇宙飛行士に認定された。同年10月には米フロリダ州沖の海底施設で、ISSでの長期滞在や将来の月・火星探査に備えた訓練に参加するなどして、宇宙飛行の機会を待っていた。
日本人のISS長期滞在は09年の若田光一さん(50)から始まった。大西さんは、15年6月に予定されている油井亀美也さん(43)に続いて6人目。
長期滞在要員はISS計画に参加する日本、米国、ロシア、カナダ、欧州宇宙機関にそれぞれの貢献度に応じて割り当てられる。大西さんの滞在後、ISSの運用が予定されている20年までに、日本人飛行士の滞在機会は2回ある見通し。