自衛隊本隊がフィリピンで本格始動


セブ島の台風被災地で医療支援

自衛隊本隊がフィリピンで本格始動

24日、フィリピン・セブ島北部ダアンバンタヤンで、医療活動に訪れた自衛隊員を笑顔で迎える被災者ら(時事)

 台風30号で被災したフィリピンの救援活動に当たる自衛隊の国際緊急援助統合任務部隊は24日、中部セブ島北端の被災地ダアンバンタヤンで医療活動を開始した。22日に同部隊の本隊である海自護衛艦など3隻がレイテ島沖に到着して以降、初めての救援活動であり、過去最大規模の約1180人態勢による自衛隊の被災地支援が本格的に始動した。

 人口約8万6000人のダアンバンタヤンでは台風で9人が死亡し、家屋1万戸以上が全半壊した。自衛隊は24日にレイテ島沖の艦艇からCH47大型輸送ヘリコプターを使って薬や簡易ベッド、医療機器などを輸送し、ダアンバンタヤンの学校内を拠点とする診療所を開設。医官4人をはじめとする隊員19人が午後から診療を始めた。

 セブ島では本隊より先に現地入りした隊員が既に訪問診療を行っているが、看護師の荒科悠子1等陸尉(33)は「(本隊合流により)呼吸器の検査器などが届いた。拠点を置くことでより詳しく継続的に(被災者の)状態を見ることができる」と語った。

 医療支援に当たる隊員は、東日本大震災で被災した宮城県など東北地方から派遣された隊員が多い。医療・航空支援隊長の浅見勇学1等陸佐は「被災者の気持ちを理解し、被災者の立場に立った支援をしたい」と述べた。

 台風後にせきが止まらない8歳の娘を連れ診察に訪れた女性ロベリン・ヤンさん(35)は「日本は進んだ国で、薬もより良いので来た」と語り、薬を受け取った後、ほっとした表情を見せた。(ダアンバンタヤン〈フィリピン中部セブ島〉時事)