第2次大戦中の強制収容所をリゾートホテルに


モンテネグロのマムラ島で、「歴史ちゃかす」と反発

第2次大戦中の強制収容所をリゾートホテルに

モンテネグロの元強制収容所のリゾートホテル改修計画で、設計を請け負ったセルビアの会社が16日に公表した完成予想図(AFP=時事)

 旧ユーゴスラビア構成国のモンテネグロで、アドリア海に浮かぶマムラ島に残る第2次大戦中の強制収容所をリゾートホテルに改修する計画が進んでいる。元収容者の親族からは「歴史をちゃかす行為だ。世界のどこに強制収容所をホテルに改装した話があるのか」と批判が激しい。

 島はもともと19世紀の要塞(ようさい)で、イタリアのムソリーニ・ファシスト政権が強制収容所に転用した。モンテネグロ観光開発当局は、北朝鮮での携帯電話サービスで有名なエジプト通信大手オラスコムと1500万ユーロ(約19億円)で49年間のリース契約を結んだ。

 当局者は「選択肢は二つ。放置してがれきの山にするか、観光客を呼べる投資家を見つけるかだ」と批判に反論。強制収容所の外観は残し、内部に記念施設もつくると述べ、理解を求めている。(ポドゴリツァAFP時事)