ニューヨークで日本の「庶民の味」が人気
ラーメンにお好み焼き、店舗が相次ぎオープン
米国最大の都市ニューヨークで日本食の裾野が広がってきた。すしや懐石など比較的高級な料理にとどまらず、最近ではラーメンやお好み焼きなど「庶民の味」も人気を集める。商機を逃すまいと、店舗が相次ぎオープンしている。
ラーメンチェーン「博多一風堂」は2008年に進出した。スープに使う豚骨や水など素材にこだわる「本格派」の味で成功。「スープの一種とみなされていたものが、『これが本物のラーメン』と認知された」(業界筋)ことで、ブームに火が付き、新たなラーメン店が続々と登場した。
一風堂は最近、順番待ちの客に日本酒を提供するバーを店舗内に開設。商品開発担当の鐘ヶ江文浩さん(44)は「日本の文化を知ってもらいたい」と意気込む。
チェーン店では定食の「大戸屋ごはん処」、カレーの「ゴーゴーカレー」などが店を構える。日本貿易振興機構(ジェトロ)は今月12~14日、米国進出を目指す日本の業者5社の料理をニューヨーカーらに試食してもらうイベントを初めて開く予定だ。
フランス出身のビンセント・ミンチェリさん(41)は昨年7月、お好み焼き専門店をオープン。日本人以外の参入も目立つ。
米飲食情報提供会社ノーションズ・ユナイテッドの長尾和子代表(42)は、日本のアニメが米国での日本食人気の広がりに一役買っていると分析。「キャラクターが食べている料理に興味を持つファンが多い」と話す。(ニューヨーク時事)