JAXA、「スイングバイ」の成功を確認


「はやぶさ2」状態は正常、小惑星「りゅうぐう」へ向かう

JAXA、「スイングバイ」の成功を確認

小惑星探査機「はやぶさ2」が、スイングバイ後に地球の南極側から撮影した写真。右下に南極大陸、右上にオーストラリア大陸が写っている=4日午後1時9分(宇宙航空研究開発機構提供)

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は14日、小惑星探査機「はやぶさ2」が地球の重力を使った加速と軌道変更(スイングバイ)に成功し、目的地の小惑星「りゅうぐう」に向けた軌道に乗ったと発表した。

 スイングバイは今月3日に実施した。JAXAによると、はやぶさ2の状態は正常。計測の結果、速度はスイングバイ前より秒速1・6キロ増し、軌道変更も予定通りに行われたことが確認された。来年4月ごろからイオンエンジンを使った航行を始め、2018年6~7月ごろの小惑星到着を目指す。帰還は20年末の予定。

 プロジェクトマネジャーを務める津田雄一JAXA准教授は「メンバー全員力を合わせ、挑戦の航行を続けます。それでは地球の皆さん、行ってまいります」とのコメントを発表した。

 はやぶさ2は昨年12月3日、鹿児島県・種子島宇宙センターから打ち上げられた。今月3日夜、米ハワイ島上空の高度約3090キロまで接近。地球の重力を利用し、秒速約30・3キロから同31・9キロに加速すると同時に軌道を大きく曲げた。

 JAXAはスイングバイ実施後、電波などを使って、はやぶさ2の位置や速度を精密に確認する作業を続けていた。