大川小学校の校舎保存をめぐって、意見割れる


宮城県石巻市は市民アンケートの結果を公表

大川小学校の校舎保存をめぐって、意見割れる

震災遺構として保存するかどうか議論されている大川小学校=2日午後、宮城県石巻市

 東日本大震災の津波で児童ら84人が犠牲となった大川小学校の校舎をめぐり、宮城県石巻市は2日、震災遺構として保存すべきかを尋ねた市民アンケートの結果を公表した。小学校の地元・大川、別の被災校舎を抱える門脇の両地区以外では「保存」が6割だったが、大川地区は「解体」が過半数を占め、意見が割れた。

 アンケート結果は、市が同日開いた地元住民団体との会合で報告。大川、門脇両地区以外では、全部または一部の「保存」が60%、「解体」が37%となった。これに対し、大川地区は「保存」が45%、「解体」が54%だった。

 亀山紘市長は会合後、記者団に「結果は拮抗(きっこう)している。次世代を担う子供の声も聞きながら判断していくことが必要だ」と指摘。大川小学校の卒業生らの意見を別途、聞く機会を設ける考えを示した。

 門脇地区の被災校舎についても同様のアンケートが行われたが、意見は二分。市は両校舎の保存の是非に関し、今年度内に結論を出す方針だ。