奈良・東大寺の大仏、「螺髪」の数は492個
定説の半分、東大の大石准教授のグループが調査
東大寺(奈良市)は3日、大仏の髪に当たる「螺髪」(らほつ)の数について、これまで一般に知られていた966個ではなく、ほぼ半分の492個と分かったと発表した。
大仏の構造上、後頭部の螺髪の数を確認することが難しかった。966個あるかがネット上で話題になっていたことなどから、東大寺は7月、東京大学生産技術研究所の大石岳史准教授の研究グループに調査を依頼。レーザー光を利用して得た3次元データを分析し判明した。
大仏は正式名称を「盧舎那仏」(るしゃなぶつ)と言い、聖武天皇の命令で造られ、752年に完成。東大寺の文献資料には、螺髪は966個と書かれている。過去に数度修復され、江戸時代の修復で現在の姿となったが、この際の修復資金を集める勧進帳などにも螺髪の数は966個とされている。江戸時代の修復で492個になった可能性があるが、詳しい経緯は不明。
東大寺の橋村公英庶務執事は「お参りされる方にも興味を持ってもらうきっかけになればうれしい」と話している。