「言葉の壁を越えるトルコ語の指導が急務」


ユニセフ職員の近藤智春さん、トルコのシリア難民支援

「言葉の壁を越えるトルコ語の指導が急務」

インタビューに答える国連児童基金(ユニセフ)トルコ事務所の近藤智春さん=12日、東京都内

 国連児童基金(ユニセフ)トルコ事務所でシリア難民の子供たちの教育支援に携わる近藤智春さん(43)は12日、東京都内で時事通信のインタビューに応じ、「アラビア語を母国語とするシリア難民の(就学年齢者)半数以上が学校に通えていない」と現地の厳しい状況を語った。その上で「難民が将来に希望を持って安定した社会を築くには、言葉の壁を越えるトルコ語の指導が急務だ」と訴えた。

 ユニセフによると、10月時点のトルコ国内のシリア難民は約200万人。就学年齢者(6~18歳)は70万8000人だが、半数以上の約40万人が就学できていない。

 トルコ政府は2014年、登録済みのシリア難民全員に公立学校で無料で教育を受ける権利を認めた。しかし、使用言語が異なるためトルコ人とシリア人は一緒に授業を受けられず、午前と午後に分けて対応している。近藤さんは「分断状態では相互理解が進まず、教室・教員不足も深刻だ」と指摘する。

 教育を十分に受けられなければ、テロなどの危険な行動に走る可能性も高まる。「内戦が続き帰国のめどがたたないシリア難民が将来に希望を持てるよう教育を受け社会に融和することが、受け入れ国の安定にもつながる」と近藤さんは力を込めた。(時事)