リーチ主将、生きた4年間の鍛錬が白星もたらす
ラグビーW杯で日本2勝目、B組3位
かつて、日本がW杯でこれほど頼もしい姿を見せたことはなかった。難敵サモアに21点差の圧勝。ジョーンズ・ヘッドコーチは「歴史を塗り替えた」。大金星を挙げた南アフリカ戦を上回る、盤石の戦いぶりで2勝目をつかみ取った。
サモアのセットプレーの弱みを突きながら、前に出る防御で勢いを止める。指揮官が構築した戦略通りに選手は動いた。序盤からボール争奪戦で優位に立ち、連続攻撃で敵陣に侵入。後手に回った相手は反則を連発し、前半だけで2人が危険なタックルによりシンビン(一時的退出)となった。
24分、日本は人数の少ない相手スクラムを押し込んで反則を誘い、認定トライ。その後もほとんどの時間を敵陣で過ごし、前半ラストプレーでWTB山田が軽やかに相手をかわして右隅にトライ。ゴールも成功して20点差とし、ここで大勢は決した。
体格差を克服できずに惨敗を繰り返してきた、過去の日本には考えられなかった完勝。試合終盤まで落ちなかった運動量に、リーチ主将は「ずっとプレッシャーをかけ続けたのが勝因」と胸を張った。SH田中も「みんな、4年間しんどい練習をしてきた。そこが自信になっている」。厳しい鍛錬の積み重ねが、胸のすくような白星をもたらした。
B組は3チームが2勝1敗で、ボーナスポイントのない日本は、1次リーグ最終戦で米国に勝っても8強入りを逃す可能性がある。それでも、ジョーンズ・ヘッドコーチは「W杯で最高の試合をしたい」。もう一度、日本らしい勝利を披露するつもりだ。(ミルトンキーンズ時事)