浅田真央は高得点、復帰の舞いしなやかに
フィギュア・ジャパンOPで、ブランク感じさせず
現役続行を決めてからわずか5カ月で、戦える水準まで戻した。昨年3月以来となった競技の舞台で浅田は強く、しなやかだった。看板の大技トリプルアクセルもしっかりと決め、訴えかけるような滑りを披露した。
一人の男性を待ち続ける芯の強い女性を描く「蝶々夫人」がリンクに映えた。表現力の成熟を求めながら、技術レベルも落とさない。「トリプルアクセルは特別なジャンプと思わず、一つの要素」と言うように、大技への気負いもなかった。
連続3回転は入らず、中盤の3連続ジャンプは途中で回転が抜けた。「もっとできるという気持ちを込めて、55点」と辛口だったように、改善の余地はある。それでも国内開催とはいえフリーで140点超え。ブランクを感じさせなかった。
戦いの場から離れた約1年は「パワーチャージの大切な時間だった」と言う。再び指導を引き受けた佐藤信夫コーチもその効果を感じ取ったかのように、「(演技に)感情が出てくるようになった」と評した。世界の頂を3度極めた技術に加え、深みを増した表現力。9月に25歳となった浅田が、鮮やかに新たなスタートを切った。