民間気象会社が超小型衛星を来春打ち上げ


ウェザーニューズが北極海での航行を支援

民間気象会社が超小型衛星を来春打ち上げ

民間気象会社「ウェザーニューズ」の海氷観測衛星「WNISAT-1R」を説明する山本雅也衛星プロジェクトリーダー=15日午後、千葉市美浜区

 民間気象会社ウェザーニューズ(千葉市)は15日、北極海の海氷を観測して船の航行を支援する超小型衛星「WNISAT-1R」を公開した。来春にカザフスタン・バイコヌール宇宙基地から打ち上げられる。

 近年の温暖化で、夏の北極海の海氷面積が減少。東アジアから欧州を結ぶ航行距離が短縮される北極海航路に海運会社の注目が集まっているが、安全運航に必要な海氷の観測データは少ない。

 衛星画像などから北極海の海氷の状況を予測する航行支援サービスを提供している同社は、独自の衛星画像取得のため2013年11月、約30センチ角の超小型衛星「WNISAT-1」を打ち上げた。しかし、昨年春ごろまでにカメラなどが故障して観測ができなくなったため、代替機の開発を進めていた。

 今回の「1R」は、50センチ角とやや大きく、可視光と近赤外線で観測する計4台のメーンカメラと、故障に備えた2台の予備カメラを搭載。地球を南北に回る高度約600キロの軌道から、ロシア北西部沿岸、カナダ、アラスカ沿岸など北極海航路で使われる海域の海氷を詳しく観測し、安全な航路計画の精度向上に役立てる。