茨城県常総市、地元の高校生ら「何か力に」


ボランティアに200人、LINEなど通じ呼び掛け

茨城県常総市、地元の高校生ら「何か力に」

被災した食料品店でボランティアに励む県立水海道第一高校の生徒ら=14日午前、茨城県常総市

 鬼怒川の堤防が決壊して大きな被害を受けた茨城県常総市で、地元の高校生らががれき撤去などのボランティア活動に積極的に参加している。被災しなかったが学校が臨時休校となった生徒らが「何か力になりたい」と話し合った。無料通信アプリのLINEやツイッターを通じた呼び掛けで、すぐに200人以上が集まったという。

 市内の染谷智恵子さん(81)宅では14日、練習着姿の野球部員らが泥まみれになり、机やテレビなどを家の外に運び出していた。水海道第一高3年の渡辺直人君(18)は「運動部なので、率先してやろうと思った。運び出さなければいけない荷物も多く、片付けが大変そうだったので」と笑顔で話した。

 染谷さん宅は浸水が約1メートルに達し、今も断水と停電が続いている。「泣くほどうれしい。とても自分たちだけではできないし、みんなよく動いてくれる」と感謝した。

 小学校教員の武藤加代子さん(48)が同高校野球部に所属する息子を通じ、部員同士のLINEグループに呼び掛けた。これをきっかけに部内で話が盛り上がり、部としてボランティアに参加することを決めた。

 武藤さん自身もLINEで募ったところ、別の人がツイッターに投稿するなどして一気に情報が拡散した。武藤さんは「行政は手いっぱいなので、できることは自分たちで始めた方がいい。他の地域でもこうした市民主導のボランティア活動が広がることを期待している」と話した。