20歳の梅木真美が金、執念で制した我慢比べ
世界柔道女子78キロ級、初出場で頂点へ
執念の抑え込みで勝負をつけた。梅木は決勝で世界ランキング3位のベレンセクをねじ伏せ、初出場で頂点へ。2度逃げられた寝技を延長でついに決め、横四方固めで一本勝ち。我慢比べを制した。
しぶとく勝ち上がり、準決勝で一段ギアを上げた。ポゴジェレツを払い腰から抑え込み、合わせ技で仕留めた。この準決勝で当たる可能性のあった強豪2人、前回覇者のアギアル(ブラジル)と2012年ロンドン五輪金メダルのハリソン(米国)が早々に敗退した追い風にも乗り、一気に上り詰めた。
出場メンバーがさほど強くなかった2月の欧州オープンを制したが、世界での実績は少なかった。4月の全日本選抜体重別も準決勝敗退。期待料込みで選ばれた初代表だということは、本人がよく分かっていた。組んでから崩す形を磨き、「与えられたチャンスを生かす」と意気込んでいた。
幼少時から酪農業を営む大分県の実家で40頭もの牛の世話をし、競技として経験した綱引きでも一番後ろの役割。柔道部に女子が少なかった中学時代は男子と稽古を重ねた。そんな環境ですくすくと育ち、外国勢に力負けしない足腰の強さが染みついた。粗削りの20歳。技の精度を上げれば、もっと強くなるだろう。楽しみな新星が誕生した。(アスタナ時事)