米軍に女性初、「G.I.ジェーン」誕生か


女性2人が陸軍のレンジャー訓練課程を修了

米軍に女性初、「G.I.ジェーン」誕生か

米陸軍のレンジャー訓練課程を終え、修了式に臨んだ2人の女性=21日、ジョージア州(AFP=時事)

 性別の垣根を越えた人材登用を掲げる米軍に、女性初の特殊部隊員が誕生する可能性が出てきた。21日には、初めて陸軍のレンジャー訓練課程を終えた女性2人が修了式に臨んだ。女性将校が偏見と戦いながら海軍特殊部隊員になる1997年の米映画「G.I.ジェーン」さながらに、一騎当千の女性が戦場に立つ日も近そうだ。

 レンジャー課程は「参加者に最低限の食料と睡眠で活動することを強いて精神・肉体的限界に追いやる」(陸軍)62日間の訓練。レンジャーは、水泳、登山、パラシュート降下などを繰り返し、極限に挑んだ末に得られる称号で、昇進の際に有利に働く。カーター国防長官は記者会見で、2人に直接祝意を伝えたと明かし、「この進展に大満足している」と胸を張った。

 しかし、米軍では陸軍特殊部隊を含む約22万のポストが女性に閉ざされており、2人が特殊部隊の一員になると決まったわけではない。米国防総省は2013年1月、現役兵の約14%を占める女性の前線部隊への配属を禁じた軍律を廃し、こうしたポストの開放の是非を検討中で、来年1月に結果を公表する予定だ。

 とはいえ、一部メディアは、海兵隊を除く陸海空の各軍は全面的に女性を受け入れる見通しだと報じている。陸軍特殊部隊だけでなく、国際テロ組織アルカイダの指導者ビンラディン容疑者の殺害作戦を実行した海軍のSEALS(シールズ)などにも、女性の活躍の場が広がると期待が高まっている。(ワシントン時事)