社会主義国キューバに「メイドカフェ」オープン


社会主義国キューバに「メイドカフェ」オープン

米アニメキャラクターをイメージした制服を着た「メイドカフェ」の店員=13日、ハバナ(時事)

 キューバで米国の人気アニメキャラクターをイメージした飲食店が人気を集めている。胸元が大胆に開き、短いスカートのウエートレスの制服はさながら「メイドカフェ」。社会主義国のイメージからは程遠く、革命政権が進める規制緩和は街の風景を変えつつある。

 キューバ版「メイドカフェ」の飲食店「ベティブーム」は2014年11月、ハバナにオープンした。日本では「ベティーちゃん」として知られる米国のキャラクターの大ファンだというキューバ人女性が経営。セクシーな衣装を着たウエートレスがいるとあって富裕層の若者を中心に多くの客が来店する。マネジャーのオラリア・マルティネスさん(42)は「いいと思うものを取り入れただけ。社会主義も資本主義も関係ない」と笑顔を見せる。

 カストロ国家評議会議長は08年の就任以来、経済・規制改革を推進。財政負担軽減のため公務員削減の方針を打ち出し、自営業の規制も緩和した。

 公務員の月給が2500~3800円程度とされるキューバで、売り上げを増やせば収入が上がる自営業の人気は高く、海外の親族からの送金を元手にレストラン経営などに乗り出す人が急増。00年代後半は15万人前後で推移していた自営業者は14年末時点で45万人にまで膨らんだ。

 キューバが米国との関係改善に乗り出した14年末以降は、外国人観光客増加を当て込んだ高級レストランの出店も加速。外交筋は「派手な電飾のレストランも増えている」と話している。(ハバナ時事)