静岡・南伊豆町、元気な高齢者の「お試し移住」


友好関係にある東京都杉並区と連携で

静岡・南伊豆町、元気な高齢者の「お試し移住」

お試し移住希望者向けビジターセンターに改修する予定の空き旅館「ニュー南伊豆ホテル」=6月28日、静岡県南伊豆町

 人口減少対策の柱の一つとなる高齢者の地方移住。ただ、縁もゆかりもない地域への移住を促すのは容易ではない。そんな中、静岡県南伊豆町は友好関係にある東京都杉並区と連携し、元気な高齢者をターゲットとした「お試し移住」事業に乗り出している。

 「アクティブシニアお試し移住プロジェクト」と名付けた事業の特徴は①送り出し自治体を杉並区に特定②移住期間は最長5年間に設定-の2点。ターゲットは資金的、時間的に余裕のある元気な60~65歳のアクティブシニア層だ。

 町では、お試し移住前の「お試し希望者」の段階から手厚くもてなすため、空き家情報やイベントなどを紹介するビジターセンターの開設を検討。6月下旬には、同センターとして活用する予定の空き旅館で、有志の区職員らと共同企画会議も開いた。

 両自治体は、1974年に区が町に虚弱体質児などが転地療養するための全寮制特別支援学校を開設して以来、交流を深めてきた。2014年12月には、全国初の自治体連携による特別養護老人ホーム整備で基本合意。町有地に施設を建設し、定員90人中50人程度は区民を受け入れることで、町に雇用などの経済効果を見込んでいる。

 南伊豆町の梅本和熙町長(67)は「お試し移住を体験した区民が、いずれ介護が必要になったとき、(同町に整備する)特養がその受け皿になってもいい」と語る。

 東京23区では、豊島区も都市と地方の連携による地方移住の検討を本格化させる。区外への特養整備について検討する有識者会議を設置。受け入れ候補地は、姉妹都市の埼玉県秩父市と、区有地がある千葉県富津市だ。

 秩父市との間では、これまでの連携を発展させ、元気な高齢者の移住や、双方に住居を構える「二地域居住」などの可能性も探る。