JR九州、「幻の豪華列車」営業運転を開始
観光列車「或(あ)る列車」、明治の車両を再現
明治時代に製造された「幻の豪華列車」を再現したJR九州の観光列車「或(あ)る列車」が8日、営業運転を開始した。金色をベースに唐草模様をあしらったきらびやかな外観と、高級ホテルのように豪華な内装。乗客には、九州産の旬の素材を使ったスイーツコースが振る舞われる。
「或る列車」は、九州鉄道(当時)が米国に発注し、1908年に完成した客車の通称。同鉄道が国有化された影響で、一度も営業運転されないまま廃車になったとされ、鉄道ファンなどから幻の豪華列車と呼ばれる。
「鉄道模型の神様」といわれた故原信太郎さんが製作した模型を基に、観光寝台列車「ななつ星in九州」などを手掛けた水戸岡鋭治さんのデザインでよみがえった。
2両編成で定員は38人、料金は大人片道2万円から。8~10月は久大線の大分-日田間、11月以降は大村線などの佐世保-長崎間を、週末を中心に1日1往復する。
大分駅で行われた出発式にはJR九州の青柳俊彦社長や、スイーツを監修した東京・南青山のレストランのオーナーシェフ成沢由浩さんらが出席した。