メーカー各社、化粧品店の復活を


専門ブランド拡充競う

メーカー各社、化粧品店の復活を

化粧品メーカー各社が化粧品専門店の販売力強化に取り組む。資生堂は専門店ブランド「ベネフィーク」を3世代で使うブランドに変更し、セミナーでPRした=7月23日、東京都渋谷区

 大手化粧品メーカーが、化粧品専門店の販売力強化に乗り出した。各社は専門店でしか買えないブランドの拡充に力を注ぐ。専門店は固定客の高齢化が進んでいることから、男性や若い女性に裾野を広げ、新しい客を呼び込もうとしている。

 資生堂は専門店ブランド「ベネフィーク」の商品コンセプトを一新する。これまでのターゲットは30~40代だったが、10代向け、60代以上向けのシリーズを9月に加える。益井澄子シニアブランドマネージャーは「専門店を3世代で美容を楽しむ場にする」と意気込む。

 コーセーは、シャンプーなどのギフト需要が伸びていることに着目。専門店ブランド「プレディア」で、ギフト用の外箱を用意したり、低価格帯の商品をそろえたりして好評という。いずれも初めて商品を試すきっかけを提供し、ファンを増やすのが狙いだ。

 カネボウ化粧品(東京)は2月、専門店ブランド「リサージ」で初となる男性用化粧水などを発売。「男性など新規客の獲得に一役買っている」(広報グループ)と手応えを感じている。6月までの専門店売上高は事業計画を1割上回った。

 民間調査会社の富士経済(東京)によると、化粧品専門店(化粧品店、薬局、薬店)の販売額は、2015年に2206億円と08年から約2割の減少が予測される。量販店などに顧客を奪われていることが響いており、各社が売り上げの回復に努めている。