御嶽山で9カ月ぶりに捜索を再開
行方不明者6人、初日は発見できず
57人が死亡し戦後最悪の火山災害となった御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)の噴火で、長野県は29日、行方不明者6人の捜索を約9カ月ぶりに再開した。期間は10日程度を見込み、県警や消防など後方支援を含め約600人態勢で臨む。初日の捜索は午前8時ごろ始まったが、天候悪化のため約4時間で終了。不明者は発見できなかった。30日も捜索する方針。
噴火警戒レベルが先月、3(入山規制)から2(火口周辺規制)に引き下げられたことに加え、自衛隊の支援で捜索隊の安全確保のめどがたったことから再開を決めた。
29日は午前7時すぎから、捜索に当たる102人が陸上自衛隊のヘリコプターで数回に分かれ山頂付近へ出発。不明者の目撃場所の情報や所持品の発見場所などを手掛かりに、火口から約1キロの範囲にある剣ケ峰頂上、八丁ダルミ、一ノ池周辺などを重点的に捜した。
捜索には金属探知機や小型無人機「ドローン」なども使用した。山頂付近の複数の山小屋では、リュックサックやデジタルカメラなど計十数点が見つかった。
しかし山頂付近の天候が悪化。午後1時までの予定を早めて正午で終了し、隊員は徒歩で下山した。岐阜県も29日早朝から捜索を再開したが、正午すぎで打ち切った。
御嶽山は昨年9月27日に噴火した。警察や消防、自衛隊は登山道や山頂付近などを最大1000人で捜索したが、積雪や凍結などで二次災害の恐れが大きくなり、昨年10月16日に打ち切った。
長野、岐阜両県は先月、捜索再開に備え現場調査を2回実施。今月12日に先遣隊を派遣したほか、25日には緊急避難用の鋼板製シェルター4基を設置した。