伝統行事「相馬野馬追」、震災前のにぎわい


20万人超来場見込む、騎馬450騎が市街地を練り歩く

伝統行事「相馬野馬追」、震災前のにぎわい

 東京電力福島第1原発事故の避難指示区域を開催地に含む伝統行事「相馬野馬追」が26日、福島県南相馬市で最大の見せ場を迎えた。武者姿の地元住民が馬を駆り、競走や旗の争奪戦で人馬一体の妙技を披露。主催者側によると、期間中の来客数は東日本大震災後初の20万人超が見込まれ、以前と同じにぎわいを取り戻した。

 この日は、各家庭に伝わるのぼり旗や甲冑(かっちゅう)を身にまとった騎馬450騎が市街地を練り歩き、会場へ。約11万平方メートルある敷地を所狭しと駆け回った。

 県内から家族で初めて訪れた岡島直樹くん(10)は「戦国時代みたいでかっこよかった。いつか自分も馬に乗って参加してみたい」と笑顔で話した。今回は、原発事故で建設が遅れていた常磐道が3月に全線開通したこともあり、首都圏をはじめとする団体客の来場数が好調。過去最高規模の計5692人から事前申し込みがあった。