日航社員が上野村の追悼施設「慰霊の園」で清掃
日航ジャンボ機墜落事故から8月で30年
520人が犠牲となった日航ジャンボ機墜落事故から8月で30年となるのを前に、日本航空の整備部門の新入社員ら50人が19日、墜落現場の麓にある群馬県上野村の追悼施設「慰霊の園」で清掃活動を行った。慰霊の園では毎年8月12日に犠牲者の追悼慰霊式が行われている。
参加者は犠牲者の名前が刻まれた石碑に水をかけてタワシで磨き、雑巾で水を拭った。高所作業車も使い、高圧洗浄機で高さ約10メートルの慰霊塔に付いた汚れを洗い落とした。
清掃活動は佐藤信博副社長(64)の発案で2011年から開始。佐藤副社長は「事故は決して忘れてはいけない。安全への思いを社員全員で共有し、今後につないでいきたい」と述べた。
参加者のうち、事故当時を知るのは佐藤副社長を含めて4人だけ。新入社員で整備士の玄地弘樹さん(25)は「仕事の現場ではきょうのことを思い起こして作業に当たりたい」と話した。同じ新入社員で整備士の篠崎栞さん(21)は「事故は生まれる前の出来事だが、安全への責任と自覚を持って仕事をしたい」と語った。