台風11号、雨の中を山鉾が都大路へ繰り出す
夏の風物詩「山鉾巡行」 京都で祇園祭
京都の夏の風物詩、祇園祭の山鉾(やまほこ)巡行が17日行われた。台風11号の影響で実施が危ぶまれたが、通常通り決行。雨の中、神の使いとされる稚児が乗った長刀鉾(なぎなたほこ)を先頭に、華やかな装飾を施した山鉾が都大路に繰り出した。
昨年から33基の山鉾が「前祭(さきまつり)」と「後祭(あとまつり)」の2組に分かれて巡るようになった。17日は前祭で、23基の山鉾が京都市中心部を進んだ。交差点で「エンヤラヤー」の掛け声とともに向きを変える「辻回し」では、見物客から大きな歓声が上がった。
倉敷市から来た有本玲香さん(24)は「引っ張る勢いが伝わって圧倒された」と話した。宇都宮市の主婦清水美智子さん(66)は「これまで23回京都に来ているが、祇園祭を見るのは初めて。実物はやはり迫力がある」と興奮気味に話した。
山鉾が通る市中心部の「四条通」は、昨年秋から歩道が大幅に拡幅された。通行人の滞留や衝突が懸念されていたが、大きな混乱はなかった。
祇園祭は、平安時代に京都で流行した疫病を鎮めるため、鉾を立てて祈ったのが始まり。山鉾巡行は、神様が通る道を清め、疫病を除くとされる。
24日の後祭では、別の10基の山鉾が、前祭と同じルートを逆回りで巡行する。