リオ五輪、ボランティアの選考が佳境に


24万人が応募、4割は外国人、7万人に絞り本格的な訓練を

リオ五輪、ボランティアの選考が佳境に

インタビューに答えるリオ五輪組織委員会ボランティア担当のフォンチスさん=2日、ブラジル・リオ市内(時事)

 リオデジャネイロ五輪・パラリンピックの開催を支えるボランティアの選考が佳境に入っている。大会組織委員会によると、前回のロンドン五輪に匹敵する約24万2000人が応募しており、最終的には約7万人に絞り込まれる。

 リオ市内の中心部にあるボランティア・トレーニングセンター。約20人が指導教官を囲んで座り、一人ずつ応募動機などを熱心に訴え、教官から質問が飛ぶ。適性があるかどうかが試される内容だが、和気あいあいとした雰囲気が漂う。

 ボランティアの仕事は観客の誘導、交通機関の案内、表彰式の手伝いなど幅広く、選手や観客をもてなす大会の「顔」。組織委の責任者、フラビア・フォンチスさんは「選考では初対面の人とすぐ協調できるか、さまざまな社会的立場の人と一緒に働く力があるかを重視したい」という。

 ブラジルならではのおもてなしが注目されるが、フォンチスさんは「ブラジル人は周囲の人を手伝うためにいつも心を開いている。特にリオ市民は外国人と一緒に暮らすことが大好き」と自信をのぞかせる。

 若い頃、バレーボール選手だったラファエル・ロシャさん(57)は「五輪には出られなかったが、リオで手伝えれば夢の半分はかなう」と応募した。格差やインフラの不備が指摘されるが、「大会をきっかけにより良い街に生まれ変わってほしい」。

 応募者の4割は、実は外国人だ。アフリカのベニン出身のスタニスラス・フレジュスさん(29)は、昨年のサッカーワールドカップ(W杯)ブラジル大会のボランティアに応募したが落選。「諦めずに今回も登録した。フランス語が得意なので通訳をやりたい」と熱っぽく語った。

 応募者の一部は15日から本格化するテスト大会に参加。選考を通過すると、11月以降に採用の通知が届き、本格的な訓練が始まる。(リオデジャネイロ時事)