コートジボワールの密入国男児、母親と再会


スペイン領セウタで、スーツケースに入り越境図る

コートジボワールの密入国男児、母親と再会

8日、スペイン領セウタで、母親(右)との再会を果たしたコートジボワールの男児(AFP=時事)

 北アフリカのスペイン領セウタの入国管理施設で5月、スーツケースに入り国境を越えようとして発見されたコートジボワールの8歳男児が今月8日、母親と涙の再会を果たした。少年を密入国させようとして逮捕された父親も、保釈金を支払い釈放される予定。

 少年の両親は、コートジボワールからスペイン領カナリア諸島に合法的に移住。少年はコートジボワールで祖母に預けられていた。昨年祖母が亡くなったため、父親は少年のスペイン居住を申請したが、収入が基準を満たさず許可されなかった。

 セウタの警察は、母親との血縁関係を証明するDNA鑑定の結果が出るまでの措置として少年に1年間のスペイン滞在を許可。検査の結果血縁が証明されたため、移民センターに収容されていた少年は母親に引き渡された。セウタの児童福祉当局者は記者団に対し「母親は泣いていた。きょうはとても美しい日だ」と語った。

 セウタなどスペインとモロッコの国境付近では、欧州でのより良い生活を求めて危険を冒して国境を越えようとする移民が後を絶たない。(マドリードAFP時事)