なでしこがイタリアを下す、大儀見が決勝点


後半になでしこらしさ、本番前最後の試合で勝利

なでしこがイタリアを下す、大儀見が決勝点

イタリア戦の後半、ゴール前でボールに飛び込む大儀見(右)=28日、長野・南長野運動公園総合球技場

 点差は1点でも試合を支配した時間は圧倒的に長かった。なでしこジャパンがイタリアを1-0で下し、W杯本番前の最後の一戦で白星。本大会に大きな弾みをつけた。

 前半はイタリアの速いプレスの前になかなかパスがつながらない。それでも左サイドバックに入った宇津木と1トップに入った大儀見の連係からは何度かチャンスをつくっていた。後半に入り、イタリアのプレスが弱まると、攻撃に幅が出始める。後半7分、宇津木からのクロスに、ペナルティーエリア内で待っていた大儀見が滑り込みながら右足で合わせて先制。後半途中から宇津木のポジションに入った鮫島も同じようにチャンスを演出する。追加点こそ奪えなかったが、次々に両サイドから選手が攻撃に加わって相手ゴールを脅かす、連動性のある攻撃が何度も見られた。

 大儀見は前日、日本の攻撃面の課題として「きれいに崩そうとし過ぎる」ことを挙げていた。得意とする細かいパス回しにこだわるのでなく、そこに意外性を持たせる。前線で体を張り、巧みなフェイントやパスで好機をつくってきたエースストライカーが自らの力で流れを変えた。

 24日のニュージーランド戦に1-0で勝っても、佐々木監督は「内容的には引き分け」と厳しく分析していた。今回は同じ点差でもきっちり勝ち切った。気分良く、決戦の地、カナダに乗り込めそうだ。