黒沢清氏、「ある視点」部門で監督賞を受賞
カンヌ国際映画祭が開催、湯本香樹実さん原作の「岸辺の旅」で
写真撮影に応じるカンヌ国際映画祭「ある視点」部門の受賞者。左から４人目が監督賞を獲得した黒沢清監督＝２３日、フランス・カンヌ（ＥＰＡ＝時事）
南フランスで開催中の第６８回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門で、黒沢清監督(５９)の「岸辺の旅」が監督賞を受賞した。黒沢監督は２００８年に「トウキョウソナタ」で同部門の審査員賞を獲得している。
「岸辺－」は、湯本香樹実さんの同名小説が原作。失踪して亡くなったものの、生前のままの姿で現世に現れた男性と、残された彼の妻が旅をしながら夫婦の絆を確認していくさまを描いた。夫役を浅野忠信さん、妻役を深津絵里さんが演じた。
授賞式で黒沢監督は「ヒュージ・サプライズ（大きな驚き）」と英語で感想を述べた後、「このささやかで地味な作品の中から、一つの輝きを審査員の方々が発見してくれた。そういうことが起こるのがこのカンヌ映画祭だと思います」と日本語でスピーチした。
同作は１０月１日から国内で全国ロードショーされるほか、秋にはフランスでの公開も予定されている。（カンヌ〈フランス〉時事）
