「喜ばしい」「もっと知って」と祝賀ムード


「世界遺産」勧告で地元山口・長崎、観光客にぎわう

「喜ばしい」「もっと知って」と祝賀ムード

親子連れなど多くの観光客が訪れた旧グラバー住宅=5日午後、長崎市

 明治日本の産業革命遺産として世界文化遺産登録の勧告を受けてから一夜明けた5日、対象施設は祝賀ムードに包まれた。ゴールデンウイーク中の祝日「こどもの日」で子連れの観光客も多く、「おめでとう」「喜ばしい」との声が上がった。

 山口県萩市の松下村塾は、幕末の志士、吉田松陰が主宰し明治維新の原動力となる人材を輩出した。NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」の舞台としても人気で、福岡県から家族で訪れた介護士西嶋ゆりさん(51)は「おめでとうという気持ち。これからも、この資産が大事にされていってほしい」と語った。

 萩市によると、松下村塾がある松陰神社の訪問者数はドラマ効果もあって急増。今年1~3月は、前年同期より5万人以上多い約16万8000人を数えた。世界遺産登録はさらなる観光振興につながると期待を寄せる声も強く、同神社の上田俊成宮司(73)は「世界に評価されて喜ばしい。今後は若い人にも多く来てもらい、歴史を再認識するきっかけになれば」と話した。

 一方、八つの施設が集中する長崎県。友人6人と旅行に来た奈良県生駒市の主婦木戸由美子さん(68)は、「軍艦島」として知られる長崎港沖の端島ツアーに参加した。炭坑として開発され、その後「廃虚」ブームで人気の同島について「昔の生活の懐かしさを感じた」と話し、世界遺産登録の見通しに「貴重なものだから、残していってほしい」と訴えた。

 旧グラバー住宅のあるグラバー園も観光客でいっぱい。長崎市に先月引っ越してきた会社員男性(23)は「もっと知ってほしい」と世界遺産登録に期待。兵庫県洲本市から家族で訪れた建築士上河護さん(42)は「日本と西洋の文化が融合する過渡期が見られ楽しい。(2016年の登録を目指す)長崎の教会群も含め、ぜひ世界遺産になってほしい」と話した。