築地のマグロ、小分けされた少量パックが人気


手間が省けることで、飲食店などプロの買い出し人が注目

築地のマグロ、小分けされた少量パックが人気

スーパーのように小分けされたマグロが並ぶ仲卸店舗。仕入れに来る飲食店などから人気が高まっている=4月25日、東京都中央区の築地市場

 巨大なマグロが大量に取引される東京・築地市場(中央区)で、スーパーで見掛けるような小さなパックに入ったマグロの販売が増えている。手間が省けることから、飲食店などプロの買い出し人から人気を集めている。

 同市場のある仲卸業者のショーケースには、大きなマグロのブロック肉の横に、200グラムほどのさくが入ったパックが大量に並んでいる。

 購入するのは、すし店などに比べてマグロの扱いが少ない居酒屋や小料理店など。「少量でも気兼ねなく買える」(都内の料理店主)と好評で、仕込みが楽になり、皮や血合い肉などのごみが出ないこともメリットだという。

 こうした売り方が広まったのはここ1~2年ほど。解体で出る切れ端などを「試しにパックに詰めて売ってみた」(仲卸業者)のがきっかけという。今では多くの店が扱うようになり、頭やほほの肉といった貴重な部位も並べて、品ぞろえを競っている。

 価格はトロ1さくが1000~1400円ほど、赤身は600円前後。切り分ける手間がかかるため卸値としてはやや割高だが、午前7時には売り切れるほどの人気商品だ。