ネパール大地震で各地の歴史遺産に大きな被害
「取り返しのつかない損失だ」と嘆く声、ユネスコが情報収集
ネパールを襲った大地震では、首都カトマンズの観光名所の塔「ダラハラ」が倒壊したほか、各地にある歴史的な文化財に被害が出た。専門家からは「ネパールと全世界にとって、取り返しのつかない損失だ」と嘆く声が上がっている。
カトマンズ中心部では、12~18世紀に建立された寺院や像の多くが倒壊。いずれもカトマンズ盆地にある古都のパタンやバクタプルでも文化財に被害が出ており、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が情報収集を急いでいる。
ユネスコ・ネパール事務所のマンハート代表は、AFP通信に「パタンの寺院2カ所が全壊するなど、幾つかの寺院に被害が出た」と説明。仏教の開祖・釈迦(しゃか)生誕の地と言われ、ユネスコ世界遺産に登録されている南部のルンビニ遺跡についても、被害状況を調査中という。
ネパール政府は国連機関に支援を要請しているが、マンハート代表は、現時点で文化財の再建やユネスコによる支援額について話すのは時期尚早だと強調した。インドの専門家は「被害の大きさを考えれば、完全な修復は不可能だ」と話している。(カトマンズAFP=時事)