「再チャレンジ」クルム伊達、シングルスに集中


「納得できるまでテニスを辞めない」、奇跡の挑戦を続ける

「再チャレンジ」クルム伊達、シングルスに集中

テニスのマイアミ・オープンで女子ダブルスに出場したクルム伊達公子=27日、米フロリダ州マイアミ(時事)

 女子テニスのクルム伊達公子(44)=エステティックTBC=が、現役続行への強い意欲を示している。米フロリダ州で行われているマイアミ・オープンの女子ダブルス1回戦で敗れた27日、「納得できるテニスができるまで辞めるつもりはない。覚悟はできている」と語った。

 昨夏に左肘に痛みが出始め、その後も足の付け根や右肩を痛めた。まともにテニスができず、一時は「どうしたらいいのか見えなかった」。今年2月以降、シングルスの予選に挑んだ3大会連続で途中棄権や欠場を余儀なくされたが、体調は徐々に上向きに。今大会は予選で敗れたシングルスを含め、ほぼ痛みをもなくプレーできたという。

 今後は体力面を考慮してシングルスに集中する。世界ランキングは現在122位。四大大会を含めツアー本戦からの出場は難しい位置で、5月開幕の全仏オープンには予選から挑むことになる。

 「再チャレンジ」と言って現役に復帰したのが2008年。気がつけば、2度目のプロ生活は1度目と同じ8年目となった。「これだけできていること自体が奇跡に近い」とよく口にする。

 ただでさえ厳しいツアーの転戦。クルム伊達の年齢ではなおさら簡単ではないが、「人生でまだ手術が一回もない」という丈夫な体で、挑戦を続けていく。(マイアミ〈米フロリダ州〉時事)