三菱重工とJAXA、H2Aロケット打ち上げ


種子島宇宙センターから、政府の情報収集衛星光学5号機を搭載

三菱重工とJAXA、H2Aロケット打ち上げ

政府の情報収集衛星光学5号機を搭載し、打ち上げられたH2Aロケット28号機=26日午前10時21分、鹿児島県・種子島宇宙センター

 三菱重工業と宇宙航空研究開発機構は26日午前10時21分、政府の情報収集衛星光学5号機を搭載したH2Aロケット28号機を鹿児島県・種子島宇宙センターから打ち上げた。衛星は約20分後にロケットから分離され、地球周回軌道に投入された。打ち上げは成功した。H2Aは22機連続の成功で、成功率は96・4%となった。

 打ち上げは情報収集衛星レーダー予備機を搭載した2月1日のH2A27号機以来。2014年度は5回目で、1年間の打ち上げ回数は過去最多となった。三菱重工の石井泉防衛・宇宙ドメイン副ドメイン長は記者会見で、「下半期で4機。短期間で多数の打ち上げを完遂したことは、大変な自信になる」と述べた。

 また内閣衛星情報センターの下平幸二所長は「撮像頻度や即時性は、問題意識を持っている」と述べ、将来に向けて体制を強化していくとした。

 情報収集衛星は、1998年の北朝鮮による弾道ミサイル発射を受け導入された。主に危機管理や安全保障を目的に、内閣衛星情報センターが運用する。

 悪天候でも観測できるレーダー衛星と晴天時に撮影する光学センサー衛星が2基ずつ、計4基で構成。光学5号機は09年に打ち上げられた3号機の後継で、全体的に性能が向上した。レーダー予備機を含め、暫定的に6基体制となる。