医学・生命科学分野、ガードナー国際賞が授与


東京工業大学の大隅良典氏、大阪大学の坂口志文に

医学・生命科学分野、ガードナー国際賞が授与

ガードナー国際賞受賞が決まり、記者会見後にオートファジーの画像を指す東京工業大の大隅良典特任教授=25日午後、東京・霞が関の文部科学省

医学・生命科学分野、ガードナー国際賞が授与

坂口志文大阪大学教授

 カナダのガードナー財団は25日、2015年のガードナー国際賞を大隅良典東京工業大特任教授(70)や坂口志文大阪大教授(64)らに授与すると発表した。大隅氏の授賞理由は、細胞内でたんぱく質を分解しリサイクルする「オートファジー」の仕組みの解明。坂口氏は免疫反応を制御する「制御性T細胞」の発見と自己免疫疾患やがん治療への応用。

 同賞は医学・生命科学分野で知られ、受賞者が後にノーベル賞を受賞することが多い。日本では利根川進氏や山中伸弥氏も受賞した。

 大隅氏は1988年に単細胞の酵母でオートファジーの顕微鏡観察に成功し、関連遺伝子も特定した。その後、動植物の細胞でも役割が明らかになり、がんやアルツハイマー病などへの医療応用が期待されている。

 大隅氏は「基礎研究が大きく発展し幸せだ。病気との関連や生理学的意義など分かっていないことがまだ多く、実験していて楽しい」と話した。

 坂口氏は「85年に制御性T細胞の存在を間違いないと思った。95年に誰でも分かるマーカー(目印)分子、2003年に重要な遺伝子を見つけたのは心躍る発見だった。がんの免疫療法に期待が持てる時代になった」と語った。