女子500メートルで、小平奈緒が初の種目別優勝
W杯スケート最終戦3位で李相花を逆転、会心の締めくくり
シーズンの最後の500メートルを、小平はこん身の力で滑った。レースを終えると両手を何度も力強く握る。この種目で今季12戦のうち8度目の表彰台となる3位。「12レースを戦った証しを残したかったので、よかった」。女王の李相花(韓国)を逆転し、自身初の種目別優勝に輝いた。
前日はインスタートで4位。この日は得意のアウトスタートで、最初の直線でバランスを崩しかけたが、その影響も最小限に抑えた。種目別優勝を果たすには5位で足りたが、それを上回る結果で自ら花を添えた。
五輪翌シーズンの今季はオランダに拠点を移し、強豪の中で練習できたことが成長を後押しした。参戦9季目で念願のW杯初優勝を経験。表彰台の回数も昨季は2度だっただけに、躍進を印象付けた。
強豪のリチャードソンら米国勢がW杯序盤戦を欠場し、五輪2連覇中の李相花も今大会に出場していない。トップと差があることは、本人も自覚している。
それでも、争いが激しくなる来季以降に向け、意義深いシーズンになった。「目指すところは一番上。着実に力を上げられるようにしたい」。頼もしさを増したエースが、力強く宣言した。(エアフルト時事)