福島県を最先端のロボット産業の拠点に


菊池製作所が避難区域の工場で実演会

福島県を最先端のロボット産業の拠点に

 福島県に工場を持つ菊池製作所(東京都八王子市)は13日、同県南相馬市小高区に新設した工場で、最先端の災害対応ロボットなどの実演会を開いた。小高区は東京電力福島第1原発事故で避難指示区域に指定されている。ロボット産業の集積を目指す県の支援事業の一つで、参加した内堀雅雄知事は「メイドイン福島のロボットが国内外で活用されることを期待している」と述べた。

 初公開の4本腕ロボットは、足場の悪い災害現場や、人が入れない原発の廃炉作業での活用を想定。実演会では、前の腕2本で本体を押し上げながら、独立した四つの無限軌道を駆使して高さ40センチの段差を乗り越えた。腕にはカメラのほか、障害物を破壊する油圧カッターやレーザーなどを取り付けることができる。

 小高区は日中の立ち入りが可能で、南相馬市は来春の避難解除を目指している。工場では介護などの力仕事を補助する「マッスルスーツ」や、小型の無人航空機「ドローン」などを夏ごろから量産する予定で、地元の住民を積極的に雇用するという。