フランスの美術館で広がる「自撮り棒禁止」


国立近代美術館やベルサイユ宮で、米や豪の博物館や美術館でも

フランスの美術館で広がる「自撮り棒禁止」

7日、パリのルーブル美術館にある広場で、自撮り棒を使って撮影する旅行者(AFP=時事)

 世界各国から観光客が集まるフランスの美術館で、スマートフォンなどに取り付けて自分の写真を撮る「自撮り棒」の使用を禁止する動きが広がっている。

 パリ郊外にあるベルサイユ宮殿では、自撮り棒を持ち込まないよう来場者に呼び掛けており、近く正式に禁止する予定。ポンピドゥーセンター(仏国立近代美術館)でも禁止の方向という。ルーブル美術館でも使用者の急増が懸念されており、広報担当者は「まだ禁止していないが、展示物にカメラを向けないなどの規則を必ず守ってほしい」と話す。

 禁止には賛否両論あり、ルーブル美術館を訪れた米国人女性は、自身も自撮り棒を使うとした上で「館内では危険だと感じることもある。間違って誰かに当てるかもしれない」と理解を示す。一方、マレーシアから来た男性は「館内のものを知り合いに見せたいのに」と不満げだ。

 フランス以外では、米ワシントンのスミソニアン博物館やニューヨーク近代美術館(MoMA)、オーストラリアの首都キャンベラにある国立美術館などが、今年に入り自撮り棒の使用禁止を打ち出している。(パリAFP=時事)