英国のウィリアム王子、被災地児童と交流


安倍晋三首相とともに福島を訪問

英国のウィリアム王子、被災地児童と交流

安倍晋三首相(左)と児童運動施設を訪れ、子供たちと交流する英国のウィリアム王子(右)=28日午後、福島県本宮市の「スマイルキッズパーク」(代表撮影)

 来日中の英国のウィリアム王子と安倍晋三首相は28日午後、福島県本宮市の児童運動施設「スマイルキッズパーク」を訪れた。東日本大震災の被災地訪問は、王子の強い意向。3月11日で震災から4年となることを踏まえ、首相としては復興を世界に訴える狙いもある。

 同パークは、東京電力福島第1原発事故の影響により屋外で遊ぶ機会が減った子供たちに安全に楽しめる場を提供するため、2012年7月に市が設置した。王子は子供たちに「ハロー」と呼び掛け、ボール遊びに交じったり、屋外でトランポリンを楽しむ子どもと会話したりした。その後、首相とともに施設内で復興に向けた記念の植樹を行った。

 王子はこの後、同県郡山市の磐梯熱海温泉の旅館で首相主催の歓迎夕食会に出席。福島県産の食材を用いた和食のもてなしを受けた。夕食会では首相が「福島の食材を味わっていただくことで、福島が苦しんでいる風評被害の払拭(ふっしょく)へ、大きな力になるかもしれない」と強調。王子は「日本国民、政府の皆さまに友好的に温かく迎えていただいたことに心から御礼を申し上げたい」と応じた。

 王子は公務でも慈善福祉活動に力を入れており、初来日となった今回、東北の被災者らと積極的に触れ合う日程を組んだ。1日には宮城県の石巻市と女川町を訪れ、住民と交流する。