イランのパナヒ監督、国内で自作上映を


映画「タクシー」、ベルリン国際映画祭で最高賞「金熊賞」

イランのパナヒ監督、国内で自作上映を

14日、ベルリン国際映画祭で最高賞「金熊賞」のトロフィーを掲げるイランのジャファル・パナヒ監督のめい(EPA=時事)

 ベルリン国際映画祭で最高賞「金熊賞」に輝いた「タクシー」を手掛けたイランのジャファル・パナヒ監督は15日、イラン労働通信のインタビューで、国民が自分の作品を見られるようにしてほしいと訴えた。

 パナヒ監督は2009年のイラン大統領選挙に関するドキュメンタリー映画に関わったとして、映画制作を20年間禁止された。その後はひそかに映画を撮影して国外に送り出し、13年のベルリン映画祭でも最優秀脚本賞を受賞した。

 パナヒ監督は金熊賞受賞について、「とてもうれしいが、国民に私の映画を見てもらうことに勝る賞はない」と強調。イランでは「何年もの間、芸術の中でも特に映画は政治利用されている」と述べ、内務省傘下の映画協会は「映画界を高い壁で囲っている」と批判した。

 「タクシー」では運転手に扮(ふん)したパナヒ監督の目を通し、現代のテヘランが抱える問題をえぐり出した。パナヒ監督は出国を認められておらず、14日夜の授賞式では出演しためいがトロフィーを受け取った。(ベルリンAFP時事)