光見えた高梨沙羅、W杯で7戦ぶり優勝
今季3勝目、自信取り戻す大飛躍
苦しんでつかんだ勝利の味は格別だった。7戦ぶりに表彰台の一番上に立ち、「やっと上れた。これまでにないくらい、うれしい」。少し興奮した様子で頬を赤くし、誇らしそうに優勝カップを掲げた。
強風により、競技はたびたび中断。飛躍が1回で打ち切られる可能性が高まる中、高梨は自分のジャンプに集中した。スピードに乗った助走からタイミング良く踏み切り、95メートルの大ジャンプ。イラシュコらライバルは飛距離が伸びなかっただけに、「集中を切らさなかったのが勝因」と胸を張った。
今季はブーツとスキー板を固定する金具の調整に苦労し、助走の安定感を欠くことが多かった。それでも腐らずに、少ない練習時間の中、映像を何度も見直すなど、努力を続けた。復調の手応えを感じたのか、「一つ、光が見えた」と喜んだ。
これでW杯総合得点は2位に浮上。「世界選手権の前に自信を持つことができたのは、すごく意味がある」。18日開幕の大舞台を前に、明るい表情が戻った。(ルシュノフ時事)